女性とストレス
女性とセロトニンの関係
女性は精神的に強いと言われていますが、実は男性よりもストレスを感じやすく、その影響で体調を崩すことも多いのです。
その理由は気分を明るくする脳内神経伝達物質のセロトニンの分泌量が男性より少ないからです。
脳がストレスを感じると、ノルアドレナリンが過剰に分泌され、これを抑えるためにセロトニンがたくさん消費され、気分を鎮め、安定させようとします。
女性は元々セロトニン分泌量が少ないため、たびたびストレスを受けると分泌が間に合わなくなったり、イライラしたり、不安感が増したりして、情緒不安定になりやすく、それがまたストレスにつながります。
さらに女性ホルモンの影響で、生理前にはセロトニンが減り、これが原因で月経前に落ち込みが激しくなったり、攻撃的になる月経前不機嫌性障害(PMDD)や身体的な症状が現れる月経前症候群(PMS)になってしまう女性も多くいます。
女性特有の脳の構造
女性特有の脳の構造はストレスを受けやすくしています。
右脳と左脳の間にある「脳梁」(のうりょう)は両者をつなぎ、情報を交流させる連絡通路になっていて、この通路が女性の方が太いのです。
一般的に女性は、まず右脳で相手の表情や態度をキャッチし、それをすばやく左脳に送り込みます。
相手が言葉にしなくても、感情の変化や要求を敏感に察知できるのが女性の脳なのです。
これは裏を返すと「余計な配慮をしがち」ということなのです。
相手の言動や表情を深読みして気を遣ったり、精神的に疲れてしまいます。
情報キャッチが優れている反面、女性脳はストレスを感じやすく、心の負担につながりやすいと言われています。
女性の社会的背景
「女性は控えめであるべき、男性は強くあるべき」
「女性は家を守り、男性は外で働くべき」
「子供は女性が家庭で育てるもの」
というように女性も男性も社会的に「こうあるべきだ」という役割を負わされています。
このような社会的性差は男性にとってもプレッシャーとなりますが、社会的に弱い立場の女性にはより大きな負担となっていることも多いと思われます。
妥協や我慢を強いられるのは圧倒的に女性の方なのです。
女性と睡眠
女性は男性よりも睡眠についてのトラブルを抱えていると言われています。
その大きな要因として女性ホルモンによる影響があげられ、女性ホルモンの影響で月経前になると、睡眠の質が低下する人が少なくありません。
また、妊娠から出産、授乳を経験する女性は、その間に女性ホルモンの激しい変化にさらされ、睡眠もその影響を受けて、リズムが乱れたり、熟睡することが難しくなったりします。
さらに女性は身だしなみにかける時間が男性よりも長くなることが多いので、睡眠時間が男性より短い傾向にあります。
また、「不安」という心理背景から入眠を妨げることも多くあります。
女性の心の悩み
このような、女性の体質や脳の構造、社会的背景や睡眠の影響もあり、女性はとてもストレスを抱えやすく、心の悩みや問題につながることが多くあります。
また、女性はマイナス思考などの「考え方のクセ」などから、抱えたストレスをケアできない「考え方の負のサイクル」になってしまっている方も多くいるので、心の悩みを抱える方や精神疾患の方が男性の2倍以上多いとされています。
規則正しい生活や、適度な運動はもちろん大事ですが、「不安感」が強くてストレスを抱える傾向にある方は、ご自身の「考え方」や「考え方のクセ」の発見や修正も大事なケアにつながることになります。