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アダルトチルドレンの詳細

アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育ち、大人になっても「生きづらさ」を抱えている人達のことで、病名ではありません。
生きづらさとは、不安感が強い、自己否定感が強い、他人に依存する、物事から回避する、他人とのコミュニケーションが上手くできないなどのことです。
アダルトチルドレンは女性の方が男性よりも3倍多いと報告されていて、日本人の6割から7割はアダルトチルドレンであるという報告もありますが、自覚症状が無かったり、認めていない人が多いのが現状です。
アダルトチルドレンが原因で依存や共依存恋愛依存になっている方は非常に多くいます。
「大人になりきれない子供っぽい人達」の意味ではなく「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリック」と言って、アルコール依存の親を持ち、今は大人になっている人達という語源から来たものです。


アダルトチルドレン(AC)解説図


アダルトチルドレンの特徴

小さい時に受けた心の傷や精神的な抑圧によって、現在の自分の言動が大きくコントロールされてしまっていることが多くあります。
機能不全な家族から学んだ行動、言葉、思考、コミュニケーションの方法は、自分が気づかずに相手を不快にさせたり、相手に過度に合わせてしまったりして、対人関係が苦手になってしまう傾向があります。
また、アダルトチルドレンの方は、精神の安定に最も重要な神経伝達物質であるセロトニンの分泌能力が低いと言われています。
アダルトチルドレンは「依存タイプ」「支配タイプ」「物事熱中タイプ」「逃避タイプ」「白黒主義タイプ」などのタイプが特徴的で、自己同一性(セルフ・アイデンティティ)と言って、自分が何者であり、何をすべきかという概念がとても少なく、物事に対する決断力が低かったり、辛いことからすぐ回避してしまう傾向があります。
アダルトチルドレンの方は自尊心が少なく、自分に対して自信がない為、依存心が強くなってしまい、共依存と言って、自分のことより相手にのめり込み、自分を見失ってしまう人達になりやすいのも特徴です。
強烈な虐待を受けるとPTSDになり、解離症状が出てしまいます。
精神疾患の心因的背景には全てアダルトチルドレンがあるといっても過言ではありません。


アダルトチルドレンチェックはこちら、アダルトチルドレンチェック

アダルトチルドレンの原因

身体的虐待、性的虐待、精神的虐待(親からのコントロールや抑圧、親に何らかの依存がある、過保護、過干渉、両親の不仲、親の不在が多い、愛情がない、親の期待が大き過ぎる、親と子供の関係が逆になっている)などがある家族で育ったり、家族の調停役をやっていた人達に多い。

幼少期や思春期の友人関係なども原因の一つで、この頃から無意識的に相手に合わせ過ぎてしまう傾向や回避傾向になっている事も多いです。


アダルトチルドレンの回復

認知行動療法、精神分析療法、家族療法、インナーチャイルドが有効です。
自分がアダルトチルドレンであり、子供時代に傷ついていた、相手に合わせ過ぎていた、という事実を理解し、認めることが回復の第一歩で、現在の「虚しさ」「寂しさ」「不安」「見捨てられ感」「コミュニケーションの難しさ」などがどこから来ているのかを共同で探し、発見していき、現実の行動と結びつけていきます。
それらを繰り返していくことによって、自尊心が増え、自分に対して自信がついていき、自己愛も増えていきます。
これがアダルトチルドレンの回復につながり、「生きづらさ」を感じることなく、人に依存しすぎることもなく、生きていけることが最終目標となります。
また、アダルトチルドレンを自分だけで回復するのはとても困難なことです。
「自分にその傾向があるかも」と思われる方はカウンセラーなどの専門家に相談してみることから始めてみて下さい。


著者:
恵比寿メンタルカウンセリング代表。様々な職種経験を活かし、認知行動療法を行います。アダルトチルドレン、共依存、コミュニケーションなどのご相談をお受けしています。

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