
アダルトチルドレン

アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレン(AC)とは、子どもの頃に、家庭内で受けたトラウマなどによって傷つき、大人になってからも生きづらさを抱えて生活している人のことで、病名ではなく概念となります。
アダルトチルドレンは、元々は「アルコール依存症の親の元で育てられた子供」という意味で用いられていましたが、次第に解釈が広がり、現在では、親による身体的・精神的虐待や、親の過保護・過干渉などの家庭環境が機能不全の状態で、トラウマを抱えたまま大人になった人のことを指すようになりました。
機能不全家族
「機能不全」とは、安全な場所であるはずの家庭が、機能を正常に果たせないという意味で、子供時代に家庭で身体的・精神的虐待が起きていたり、日常的に心理的に追い込まれるような家族環境のことを「機能不全家族」といいます。
子供に対してだけではなく、家庭内での激しい争いが続くことも機能不全な家族と言えます。
幼少期に上記のような機能不全家族の元で育つと、大人になってもその影響が強く残るとされています。
幼少期に大人のような振る舞いをしてきて、無意識的に自分の意思や感情に蓋をしてきたため、大人になってもその考え方のクセで、自己肯定感が少なかったり、対人関係で悩むことが多い人が、アダルトチルドレンという概念に当てはまる人と言えます。
自己防衛が考え方クセになる
子供は、機能不全家族の元で生まれたとしても、その家庭で生きていかなくてはなりません。
家庭が安全な場所でない場合、可能なかぎり安全に生き延びるために、子供自身が怒られないよう、親の期待に応えるように無意識的に親の顔色を伺って、自己防衛をするようになってしまいます。
この自己防衛が自分の意思や感情を抑圧するのちの考え方のクセとなり、大人になっても続いてしまい、生きづらさを抱える原因の一つと言えます。

アダルトチルドレンの特徴

感情の抑圧
機能不全家族では、子供が意思や感情を自由に表現できない環境が多いです。
怒りや悲しみ、不安といった感情を抑圧することを強いられたり、逆に感情的に不安定な親の対応に振り回されたりします。
その結果、大人になってからも感情の向き合い方や自己肯定感に問題を抱えやすくなります。
感情の抑圧とは、無意識的に自身の思考が自身の感情を、傷つけたり、無視したり、プレッシャーをかけたりし続けることです。
その結果、感情が鈍麻(どんま)していき、自分の本当の感情が分からなくなり、自分の好きなことや、喜び、悲しみを感じにくい、あるいは感情が爆発しやすいのが特徴となります。
感情の抑圧の影響
このような自身の感情の鈍麻がある人は、普段から自身でプラスの感情をあまり得られないので、プラスの感情が大きくもらえる分野に依存しやすくなります。
高揚感が大きい分野である、恋愛依存、ギャンブル依存などが顕著で、その他にも食やアルコールにも依存しやすくなります。
「やめたくてもやめられない」のは、普段から思考が感情と向き合っていないため、やめようという思考に対して、感情が納得せず反発している状態であることが多いです。
「やろうと決めているのに、できない」ことも日常の感情の抑圧が原因で「やる気」になれない状態だと思われます。
人間関係における特徴
対人関係の距離感
子供時代に安心できる関係性を築けなかった経験やトラウマは、大人になってからの人間関係にも大きな影響を与えます。
自分の意思を表現できなかったり、することに抵抗があったりして、人との適切なコミュニケーションや距離感が分からなくなったりしてしまいます。
また、他者との間に適切な境界線を引くのが難しく、トラブルに巻き込まれやすかったり、逆に極端に他者を遠ざけたりしてしまうことも。
他者承認の強さ
自己承認が低いため、他者からの評価や承認を過度に求め、他人の顔色を伺う考えや言動となってしまいがちです。
他者承認をもらうために自己犠牲的に頑張るため、承認されないときに感情が爆発することも。
コミュニケーションでも「相手になんて言えばいいか」を考えてしまい、話しの内容の理解や、感情を使った会話ができない傾向です。
共依存
自己承認が低く、他者承認を過剰に必要としてしまうため、他人の問題に過剰に関与し、自分のことよりも他人の世話を優先してしまうことも特徴です。
相手に依存されたり、逆に相手に依存したりする関係に陥りやすく、共感的ではない相手に依存することが多いため、だんだんと心が疲弊してしまうことも。
見捨てられ不安
親しい人から見捨てられることを極端に恐れ、不安が強くなり、関係性を保つために無理をしてしまいがちです。
上記の共依存とも密接な関係となりますが、恋愛以外の日常の対人関係でも「疎外感」を感じやすく、被害者意識や結論の飛躍などの考え方のクセになりやすくなります。
親密な関係になることの恐れ
親密な関係を築きたいと思う一方で、傷つくことを恐れて深い関係を避けてしまう傾向です。
自己防衛的な抵抗感でもあるため、距離を縮めることはとても難しくなります。
相手も親密になりたいと思う人であれば、ご自身の抵抗感を感じさせてしまい、「私のことが嫌いなのでは」と勘違いさせて距離が縮まらず、ご自身も「やっぱり私のこと嫌いなんだ」などと自己解釈し、傷つき、より距離が離れてしまうという悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

アダルトチルドレンのタイプ
ヒーロー(英雄)
勉強やスポーツで良い成績や評価をもらうことを第一優先としています。
「しっかり者」、「頑張り屋さん」というように見られることも多く、周りからの評価ももらいやすい傾向です。
ただし、その努力が自身のためではなく、親や誰かの期待に応えるためだったり、もしくは家族や周りの雰囲気を悪くしないための自己防衛的である場合は、抑圧的となり、後ろ向きな意味合いにもなってしまいます。
こうした努力が実っているときは良いですが、何らかのきっかけで挫折したり、失敗したりしたときに、心が折れ、ひどい場合は破綻してしまうことも。
外見的な特徴は、「しっかり者」「頑張り屋さん」「真面目な子」など、問題がないように思われがちです。
内面的な特徴は、努力は自分自身のためではなく、親や人の期待に自己犠牲的に応える傾向。
「家族を助けるために自分が頑張らないといけない」
「他人の期待に応えられない自分には価値がない」という思い込みなど
自己犠牲的な努力のため、挫折したり、期待通りの結果が得られなくなったとき、心がぽっきりと折れてしまい、強い自己否定に陥りやすい特徴があります。
スケープゴート(いけにえ)
スケープゴートは、「身代わり」や「いけにえ」という意味です。
ヒーロータイプとは全く反対で、問題行動を起こしたり、過剰に低い成績や結果を取ったりして、家族の中で悪者や問題児の立場を引き受けます。
家族の憎しみや怒りや不満などを一人で引き受け、そのことにより家族のバランスを取ろうとしてきたタイプです。
行動の特徴は、「問題行動を起こす」、「極端に悪い成績や結果を取る」、「非行や暴力、徘徊などの問題行動」などです。
家族が当然のようにマイナスの感情や問題を出し、それをずっと引き受けてきたため、大人になっても自身が相手にその感情や問題行動を出すことの抵抗感が少ない傾向です。
そのため、自分で感情を処理できないときに、問題行動などで無意識的に解放してしまうことが考えられます。
ロストワン(いない子)
家族の中での存在を消し、いない子供として、生まれてこなかった子供として、無意識的に家族との関係を断ち、ひっそりと気配を感じさせずに生きていこうとします。
時には迷子になっても家族のだれからも気付かれることがなく、旅行にも連れて行ってもらえず、家の中にいても、一人で孤独にいます。
親の子供への感心が極端に低い場合になりやすいタイプです。
行動の特徴は、「あたかもいなかったかのようにひっそりと過ごす」、「気配を感じさせずに生活する」、「とにかく目立たないようにする」
家族との関係を断ち、自分の存在を小さくすることで、家族から傷つけられることを避け、家族への負担を減らそうとします。
大人になって、
「自己主張が苦手」、「自分の感情を人に伝えない」、「ストレスを発散できない」、「うつ状態などの精神疾患になりやすい」
など、感情が鈍麻していることに気付いていない場合もあるので、ストレスを自覚しにくいのも特徴です。
ケアテイカー(世話役)
ケアテイカーは献身的に家族の世話をし、愚痴を聞き、支えることを過剰に行います。
自己犠牲的であり、自虐的な傾向でもあります。
家事をしない親に代わって家事をしたり、養育をしない親に代わって弟妹の面倒をみたりして、自身のことは何でも後回しにしてしまいます。
そうした家族を維持する機能を一身に背負って家族が崩壊しないように、バランスが取れるように努力をします。
行動の特徴は、「家事をしない親に代わって家事をする」、「養育をしない親に代わって弟妹の面倒をみる」、「自分のことは何でも後回しにする」
など自己犠牲的に世話をする傾向です。
そのため大人になっても、誰かの世話をすることが自分の存在意義となりがちです。
「恋人との関係で共依存に陥りやすい」
「誰かに尽くし続けるため、精神的に疲弊する」
「献身的な世話の見返りに褒めてもらうことや感謝されることを過度に求める」
など、世話をすること自体は良いことですが、自己犠牲的な世話を続けたり、世話をすることが存在意義であることは問題となります。
ピエロ(道化師)
家族の暗い雰囲気を回避するために、おどけたり、おちゃらけたり、冗談を言ったり、面白いことを言って笑わせたりして明るい雰囲気を作ろうとします。
ひょうきんで明るい性格に一見すると見えますが、過度に雰囲気を読み取り、人の表情を伺い、どうすれば険悪なムードにならないかと考え過ぎたり、沈黙に耐えられず、焦ってしまうことも。
外見的な特徴は、「明るくひょうきんな性格に見える」、「実際には常に人の顔色をうかがいながらの生活」、「繊細で緊張状態にある」などです。
「自分が不機嫌であったり落ち込んでいたりするところを人に見せない」
「体調が悪いときでも隠して明るく振る舞う」
「本当の自分と演じている自分とのギャップに疲れる」
周りや相手を明るくすることは素晴らしいことですが、自身も気付かないうちに疲れていたとしたら、無理に盛り上げようとしないコミュニケーションに慣れていくことも大事かもしれません。
イネイブラー(支え役)
イネイブラーは「後援者」や「他人を手助けする」という意味で、ケアテイカーとやや似ていて、自己犠牲的で、献身的に尽くす傾向です。
イネイブラーでは、その尽くし方が相手のためにならない尽くし方をするのが特徴です。
例えば、アルコール依存症の人のために、アルコールをせっせと用意するなどです。
相手の依存を助長するような尽くし方をするため、相手がさらにダメになっていくことも。
「助けているつもりで相手のためにならないことをする人」
「良くないことだと思っても、相手に嫌われたくないため従う人」
「身近な人の問題を黙って見過ごす人」
などが特徴で、人の世話をすることによって自分自身の問題から目を背ける傾向と言え、アダルトチルドレンのタイプのなかで最も共依存に陥りやすいタイプです。
タイプの良い部分
ここではアダルトチルドレンの6つのタイプの特徴などを説明しましたが、それぞれのタイプに当てはまったとしても、それが問題とは限りません。
タイプ別の相手への良い部分や、自身のアイデンティティの要素も含まれていることが多いです。
それぞれのタイプに当てはまり、日常の抑圧によって、ストレスが過度になったり、対人関係の距離感で強く悩んだり、生きづらさを感じる人がアダルトチルドレンに当てはまることとなります。
逆に言えば、アダルトチルドレンによって今も続いている考え方のクセを改善して、日常の抑圧をなくしていけば、悩みや対人関係も変化し、アダルトチルドレンの改善や回復にも向かいます。
そうなれば上記のそれぞれのタイプも意識の高い良い部分として、対人関係に活かして、実感につなげることになっていきます。
アダルトチルドレンは過去の影響でもありますが、現在の抑圧を改善することで回復に向かいます。
タイプの良さも理解して、自身と向き合うことを意識することがアダルトチルドレンの改善や回復の一歩と言えるでしょう。

アダルトチルドレンのカウンセリング
アダルトチルドレンのカウンセリングは、カウンセリング中にクライアント様の自己防衛が出やすく、傷つきやすかったり、抵抗感が強く出やすいので、最も繊細なカウンセリングとも言えます。
恵比寿メンタルカウンセリングのアダルトチルドレンのカウンセリングでは、自身のマイナスの感情が大きくなる原因や考え方のクセの分析、過去の対人関係のトラウマ、過去の家庭環境でのやり取りや感情などを丁寧に聞いていき、共感と客観的な理解をしていきます。
アダルトチルドレンの概要の解釈は、機能不全家族や毒親の影響のみにしていて、良くなかった過去として捉えていることが多くみられます。
一部は正しいと思いますが、それのみを思い込むと、親に対する怒りの感情が増えたり、良くなかった過去として自身の性格も否定的に捉えがちになってしまいます。
また、逆に家庭環境の影響の良い部分のみを無理に肯定的に理解してしまうことも、自身の過去の感情の抑圧にもなり、苦しくなったりもします。
そのため、過去の辛かった感情が健全であることを認め、親の言動の心理を決めつけずに、起こった事実のやり取り、感情や自己防衛のその当時の健全性、などを丁寧に聞いて説明していきます。
それから現在のアダルトチルドレンの影響である、考え方のクセや感情の抑圧などの流れを説明して理解して頂きます。
「アダルトチルドレン(機能不全家族)」 → 「自己防衛(現在の考え方のクセ) 」→ 「感情の抑圧」 →「 対人関係の抵抗感 」→ 「生きづらさ」
対人関係に抵抗感があり、生きづらさを感じる直接的で本質的な原因は考え方のクセです。
考え方のクセの直接的な原因はアダルトチルドレンになりますが、考え方のクセは現在の悩みからでも改善できます。
アダルトチルドレンのカウンセリングの方針
恵比寿メンタルカウンセリングのアダルトチルドレンのカウンセリングの方針は、
「考え方のクセの改善」→「感情の抑圧減」→
「自己承認を上げる」→「対人関係の変化」→
「満足感」→「本質的な自己肯定感」=
「生きづらさ、アダルトチルドレンの改善」と、なります。
身体虐待などで心理学的なトラウマ(PTSD)などが強い場合は、トラウマの専門的なカウンセリングなどで癒していくことが第一だと思われます。
アダルトチルドレンの影響の自己防衛(のちの考え方のクセ)は、過去は健全で必要だったことを認め、現在の考え方のクセの自身にとって良い部分と、抑圧的で感情に良くない部分をそれぞれ認め、折り合いをつけられるようにして、自己承認を上げていきます。
アダルトチルドレンと自覚している方でも、まずは近況のお悩みから相談して頂き、カウンセリングの抵抗感が減ってから、アダルトチルドレンのカウンセリングを行う方もいらしゃいます。
アダルトチルドレンのカウンセリングに限らず、クライアント様の目的に合わせてカウンセリングを行います。
本質的な改善には過去の家庭環境のお話しが必要である方もいらっしゃいますが、まずは近況のお悩みを相談する感覚でご予約頂けると幸いです。
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